2009年10月13日火曜日

府中市郷土の森博物館プラネタリウム

府中市の多摩川沿いにある、府中市郷土の森博物館の中にあるプラネタリウム。
南武線京王線の分倍河原駅よりバスが出ている。

博物館自体の入館料が200円、プラネタリウム視聴料1番組につき400円が必要。

特徴としては、平床式(水平式)プラネタリウムでは、日本で二番目の大きさのプラネタリウムでおわん型の飲み口にあたる部分の直径が23mである。現在は仙台のプラネタリウムが平床式最大、今度名古屋にもっと大きいのができるので3番目の大きさになる。

収容人数は、287名。プラネタリウム劇場を入って左側が北方向になる。解説員のいるプロジェクターの近くが一番見やすい。後ろのほうが北の天体を見やすいからである。

あとは、プラネタリウム投影機は五島式投影機のGL-AT。12000個の恒星を映し出すことが出来る。惑星や夕焼け朝焼けも投影できて、府中の場合上が北半球、下が南半球を映すことが出来る。

番組構成は、今夜の星空を説明してくれる生解説と既存の映像作品を投影する番組という順番になっている。
生解説は解説員によって説明が異なるのがまた楽しい。星座の説明の仕方、北極星の見つけ方などそれぞれ個性がある。矢印を使う人、レーザーポインタを使う人など様々だ。またプロジェクタのスライドも解説員によっても異なる。
番組は、平日と土曜日、日曜祝日と異なる。平日は平日用2本、土曜日は平日の2本に加えお子様向け番組1本を加えた3本、さらに日曜祝日は土曜日の3本に加え4本の上映。番組は人気作品は上映が延長されたりすることがある。

大きなプラネタリウムなので非常に迫力があるのだが、残念ながら南の方角やや左側に茶色いシミがあって白っぽい映像が映ると気になる感じである。ソコだけが残念。



府中市郷土の森博物館
〒183-0026東京都府中市南町6-32TEL 042-368-7921(代表)
開館時間
9:00~17:00(入場は16:00まで)
博物館入場料
大人200円
中学生以下100円
4歳未満無料

休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、博物館が定めた休館日

オススメ度:★★★★☆

2009年10月6日火曜日

HAYABUSA ~ back to the Earth

この間、種子島から地上400kmを飛んでいる国際宇宙ステーション(以下ISS)に向けてHⅡ-Bロケットが打ち上げられた。その中には物資輸送船HTVが入っていた。ISSに必要な物資を乗っけて物資を輸送し、いらないものを積み込んで最後大気圏に突入させ燃え尽きるように設計されたものである。スペースシャトルの運用がもうじき切れるのでISSに大型物資を送れる輸送船としてISS運用各国から期待されている機材だ。

見事宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)は、HTVをISSに近づけカナダのアームに拾ってもらってドッキングに成功した。

しかし、このHTVのドッキングを成功させた裏には、JAXA(JAXA前身組織も含む)が以前打ち上げた衛星たちの失敗、成功のあらゆるデータの蓄積がある。その中に今現在地球を目指して飛んでいる小惑星探査機「はやぶさ」がある。

そのはやぶさに焦点を当てて作られたプラネタリウム番組が「HAYABUSA~Back to the Earth~(以下作品の名称HAYABUSA)」である。

HAYABUSAのナレーションは、ウルトラマンタロウで東光太郎役をやっておられた篠田三郎さんなのだ。非常に聞きなれたナレーションなのですぐわかった。篠田さんは「はやぶさ」のことを「彼」とか「君」と表現する。擬人化されていて「はやぶさ」にあたかも命が宿っているような錯覚に陥る。

さてこの「はやぶさ」、HTVと同じく種子島から小惑星イトカワに向けて打ち上げられた。ただし、HⅡ-Bよりも小さい出力のM-5ロケット。打ち上げの推進力は足りないので、地球の引力を使ってのスイングバイを行ってイトカワを目指す。

探査目的は、主に5つ

  1. 新型エンジンイオンエンジンを使って長い旅路を旅を続けられるということを実証すること
  2. イオンエンジンと地球重力を使ってのスイングバイの力を併用すること
  3. 小惑星とのランデヴーを行うこと
  4. 小惑星のかけらの採取
  5. 採取サンプルを持ち帰ること

以上のミッションが課せられていた。

さてなんで、目標にイトカワが選ばれたのだろうか?
原始太陽系は、地球のような重い岩石惑星、木星のような軽いガス惑星、海王星のような氷のようなもので出来た惑星という配置で作られた。しかし、地球のような惑星はどろどろに溶けてしまって原始太陽系の頃の記憶がない、ガス惑星はガスの集まりなので記憶自体がない、氷の惑星では意味がない。

しかし、小惑星は変質せず原始の頃の太陽系の記憶を残している。

イトカワは小惑星としては異質な軌道を描いて太陽の周りを回っている。本来、小惑星は火星と木星の間をぐるぐる回っているのだが、イトカワは火星の内側を回る軌道を通るときがある。そのタイミングを狙って「はやぶさ」は地球を発った。

地球に近づいてくる頃には東京大阪間を15秒で行くスピードになって帰ってきた「はやぶさ」。スイングバイのストライクゾーンど真ん中を地球の半周を超える距離通さなければいけない。見事、スイングバイを行った。

地球に2回近づいてスイングバイを行い「はやぶさ」は2年ほど飛行した頃・・・「はやぶさ」の目にかすかにイトカワをとらえていた。
そして、イトカワにやっと到着、2ヶ月の間イトカワのデータを集めた。

イトカワは最大級のタンカー大きさであるということ、イトカワの重力分布が思っていたより弱かったということ、地球に降り注ぐ隕石と同じ成分をしていること、形はラグビーボールのような形ですべすべした表面だと思っていたがカリントウのようにゴツゴツした岩場ばかりの地形であるということ。

さてそのデータを送ってきた「はやぶさ」、ようやっとメインミッションに向けて最終点検を始めた。すると、リアクションホイール(姿勢制御装置)3つのうち2つが死んでいることがわかった。しかたがないので、生きている一個のリアクションホイールとエンジンの噴射で姿勢を制御することになった。

さて、前段階としてターゲットマーカー(目印)を投下する。マーカーには「はやぶさ」の探査計画に賛同した人たちの名前が刻まれたものが収納されている。そのマーカーはソフトボールの大きさくらいだ。それを目指して「はやぶさ」は舞い降りるのだ。

いや、予定だった。予行演習で突然浮上した。なにかおかしい。次は本番だった・・・。

ターゲットマーカーに徐々に近づく、ところが姿勢が制御できない状態に陥り不時着した。その後「はやぶさ」は地球との連絡を絶った・・・。

次に「はやぶさ」からの連絡があったときは、イトカワの20km上空にいた。

しかし、地球帰還軌道に乗せるための時間はあと少ししかなかった。チャンスはこれだけ・・・もう一度イトカワに向かった。着陸は成功しすぐ離陸した。イトカワは太陽光線をさえぎるものがないので、猛烈な熱にやられてしまうから、離陸はすぐ行われた。

が、イトカワを離れてすぐ地球との連絡をまた絶った。

地球は彼の鼓動を感じようと信号を送り続けていた。すると微弱ながら彼の鼓動がかすかに聞こえるようになった。彼のこの鼓動を絶やさないように姿勢制御が取れるようにした・・・。

そして現在彼は地球へ満身創痍ギリギリの状態で向かっている。

おそらく来年の6月地球へ採取したものを納めたカプセルを落とし、自分は地球の大気で消え去る運命だ。

という内容の番組だった。

かなり端折られた内容だったが、かなり凝った映像だった。
擬人化をどう判断するか分かれるところだと思うが・・・自分としてはアリだと思う。
ただ、演出にこだわるあまり暗くなるとはやぶさが見にくかったりする部分があって、なにを意図しているのかわからなくて冗長に感じる部分があったのが残念なのとエンディングが癒し系の女性のボーカリングで狙っている感が否めない気がする。

ただ、はやぶさ・・・帰って来い!と願いたい。


プラネタリウム番組 
HAYABUSA -BACK TO THE EARTH- ハヤブサ~バック・トゥー・ジ・アース
12/6(日)まで!毎日(休館日を除く)
観覧料:大人400円、中学生以下200円(博物館入場料200円が別に必要)

オススメ度★★★★☆

2009年10月5日月曜日

はるかなる木星へ

ココのところ、南の空に一番明るく輝く星は木星である。その木星にちなんだ府中郷土の森博物館が協賛のプラネタリウムの番組が「はるかなる木星へ」というもの。全天周のCG映像で大迫力。時折プラネタリウム全体が浮いているような錯覚に襲われる。

ナレーターの声はなんとなく聞いたような声だったが思い出せずにいたが、エンドロールで野島裕史さんの名前を見て納得した。野島さんはTVKで以前やっていたCGアニメ「スケアクロウマン(かかし男って意味)」の主人公スケアクロウマンをやっていた方。スケアクロウマンはTOHOシネマズの映画の前のCMのキャラクターなので見た方もおられると思う。

今年はなんでも「地動説」を唱えたガリレオが望遠鏡を覗いた時から400年になるという。そのために今年は宇宙天文年というらしい。

ガリレオが覗いた星々は月、太陽、木星などである。特に木星にはわれわれの地球の衛星の月のように木星にも衛星があることを発見した。イオ、ガニメデ、エウロパ、カリストである。のちにこの4つの衛星は彼の名前をとってガリレオ衛星と呼ばれることになる。

その木星に行った衛星はいままでNASAによる探査で「パイオニア10号11号」「ボイジャー1号2号」そして近年打ち上げられたのが探査機「ガリレオ」である。

「はるかなる木星へ」はその探査機ガリレオの旅物語である。

探査機ガリレオは、企画当初液体燃料使用型スペースシャトルで打ち上げられる予定だった。が、チャレンジャーの事故によりその計画は変更を余儀なくされた。液体燃料固体燃料併用型のスペースシャトルでの打ち上げ。しかしそうすると打ち上げスピードが足りなくて木星に届かない。

そこで考え出されたのが、地球の重力を使ったスイングバイという方式。それを使うと、時間は数倍かかるけれど、低燃費で木星へたどり着かせることが出来る。それをNASAは使うことにした。

しかしそれを使ったおかげで高出力アンテナの傘が開かなくなってしまった。出力の低いアンテナに依存することとなり、プログラムを書き換えた。

その後の飛行は順調で、シューメーカーレビー彗星の追突の動画を送ってきたり、木星のガスの大気にプローブ(カプセル)を落としそのデータを送ってきたり、ガリレオ衛星の詳細なデータを送ってきたりしていた。木星の衛星たちに生命の源の水があることがわかった。

ガリレオはもう少し活動をする予定だったが、衛星の重力に引っかかり落ちて自らの体に付着しているであろう地球の細菌でその衛星の環境を変えてはいけない。よって、自ら木星の大気圏に突入し自分の身を燃やし尽くすことが最後の仕事だった。

NASAからの司令により探査機ガリレオは木星に突っ込んでいった。

そんな内容の番組である。

自ら木星に突っ込んでいく探査機ガリレオの姿に泣いた。プラネタリウムの番組ごときで泣かされるとは思わなかった。

プラネタリウム秋番組
世界天文年記念番組はるかなる木星へ
~12/6(日)毎日(休館日を除く)
観覧料:大人400円、中学生以下200円(博物館入場料200円が別に必要)

オススメ度★★★★★